上の写真の並びでそれぞれ
アイネックス15db (1580円) | Nidec超静音15db(2280円) |
Silencer (1580円) | パナフロー静音 1900rpm-21db (2280円) |
となっとります. で,これをファンレスAT電源につないで1個づつ聴いてみました. 結果, うるさい順に.
- パナフロー1900rpm 音量を書いて売ってる中では唯一の20db機ですからうるさくて当然. 上の写真には無いですがオウルテックが売ってる SANYOの超静音20dbも同じくらいうっさいです.
- Silencer お店では1400rpmとゆって売ってるのでですが, もっと速そう. パナフローに似た騒音を出すんですがこっちのほうが風切り音がだいぶ小さい. 17〜18db相当かなぁ.
- Nidec 15db 超静音とかいってこんなものか. 単体ではわりとうっさいのですが鉄板ケースに封じ込めればかなりのレベルまでマスクされると思います. 20dbクラスだと鉄板で囲んでも貫通してくる, それが15dbと20dbの決定的な違い.
- アイネックス15dbごく最近売られ始めた静音ファン. 安いわりに良かったですが, 当然Nidecと同じ位の音は出します. Nidecより風切り音がこころもち弱くて, 一時振動が少し強い.
てなかんじで, パナフローやNidecの流体軸受け効果は特に無いということに. というか, 15dbっていうのはけっこううるさいんだな…ということがわかりました. ちなみに, 風量は確実にうるさいものほど多いきがします. つまり, 音源はほぼ羽根の風切り音からきてるらしい, ということで.
アイネックスを含む上記のファンは, 秋葉原だと, COMサテライト(サンボの前)の2階, 各地DOS/Vパラダイス(Silencerはここの専売), 俺コンハウス2階, パソコンシティパーツ館(地下の店)なんかにありましたです.
比較用に, うちでいちばんの静音サーバーのCPUファンに使ってる, どこかのジャンク屋で100円で買ったSANYO静音 (12V-0.09A) ファンを5V駆動したものと比べると…
圧倒的にこちらのほうが静かです. もちろん風も来ませんが. こういう規格外駆動は少しでも古くなると起動しなくなって大事故につながるので 素人にはお勧めできませんが, やはり無音レベルをめざすなら売り物のファンだけではつらいことがわかりました.
と思ったら真打登場
つい最近, Justyから1000rpmファンが, SANYOから1300ファンが発売されました.
表記されてる音圧こそ15db以下 vs 12dbとSANYOの方が低いものの, 価格も回転数もJustyの物の方が優れており, 上のASCII24の記事でもSANYOの12dbについては懐疑的な書き方がされているので Justyの方だけ買ってみました.
ふむ. かなり静かです. 前回比較した4つの中で最も静かなAINEX 15dbは, 顔の前10cmの所で回すと「ふぉーん」とはっきり騒音が聞こえるのに対し, Justyのは顔の正面だと雨の音 (今日は雨なのです) にかき消されて聞こえません.
ただし頭を回転させて耳をファンの方に向けるとはっきり音が聞こえますので, 自分で低電圧駆動させたファンほどではありませんが, 風量も比較的ありますし, (coppermineやtualatinなどの) 低消費電力マシンなら, 電源の冷却にも十分使えそうな気がします. 筐体内に大量の熱がこもるマシンには厳しいでしょう.
軸受けノイズはほぼ聞こえず, 風切り音が大半なので, 恐らくSANYOの物よりは静かだと思います. メーカーが起動を保証してくれるものの中では現状で最高でしょう.
可変速で年中おーけーと思いきや失敗
その後, アイネックスから 1100-3000rpm可変速ファン(CF-80VR)が出たと聞き, 新たな真打登場か? と期待して買ってみました.
がー, うるさぃ!w 付属のバリオームらしきものを回すと 確かに回転数は1000回転相当まで落ちるのですが, その時の1次振動が極めて強い (いや, 1次かどうかわからんので単に振動としましょう) 手にもっていてもダララララと少し(耳で)わかるほどの振動音で, 硬いところに置いたりするとガタガタガタと 模型用モーター並みの騒音を発して使いものになりません.
最初は単にはずれ固体を引いたのかな?と思っていたんですが, 制御用つまみから伸びる(写真で黄白のコード)線が妙に細いのを見て, これは電圧制御ではなくてPWM制御 (電源のON/OFFを高速で繰り返し, ONとOFFの時間幅の比を変えることで制御する) をしてるのかな?と思ってきました.
さすがに耳で聞き分けるほどの経験はないのでよくわかりませんが, 1100-3000という広い可変幅からして, 電圧を下げて実現していたとしたら, 駆動力が摩擦に負けて起動しないことがある可能性は十分に考えられます. そんなものを保証付きで大量販売するとは考えにくい. で, 今流行りのPWM制御だとすると, OFF時間の増える低速駆動時は原理的にガタガタと振動を発する 可能性があります.
なぜなら, これがPWM制御だと, 最も駆動力が減る設定にしてあっても, ONの波形がくるタイミングでは最大駆動力がかかるので, 起動しない心配はぐっと減る. ただし, コイルに流れ始める電流には逆起電力がかかるので, これに打ち勝って定常状態に達するより はるかに短い時間でON波形が終わってしまったら, やはり起動しない. つまり, 起動ミス対策でPWM方式にするなら, パルスの間隔をあまり小さくはできません. このため, おおざっぱに時々グッグッと力がかかったモーター は振動を発するのではないか? (実際に聞こえるのはもっと低周波の振動なので, 単純ではない力学があるようですが)
などと寝ながら考えていて, 気になって検索してみると, 確かに市販されている外付けPWM制御回路にも そのような注意書き があるようです.
まあ, ひじょーにファンの個体差によるもののようなので, このファンを買ってもあまり振動が問題にならないひともいるかもしれませんが, 静音派としてはおすすめできません. 市販のファンコントローラも同様です. やはり現時点で Justyファン最強説は動かず.